Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


【ドバイエアショー】成長を続けるカザフスタンの航空会社SCAT AIRLINES

2025/12/10 航空会社

ドバイエアショーの地上展示機の中にSCATと書かれたボーイング737-Max8(UP-B3746)がありました。

SCAT AIRLINESは、中央アジアの雄大な国カザフスタンを代表する主要な航空会社の一つです。1997年に設立され、同年運航を開始しました。会社名である「SCAT」は、「Special Cargo Air Transport」の頭文字に由来しており、設立当初の使命を今に伝えています。

拠点はシムケント

本社はシムケント国際空港に置かれており、同空港をメインハブとしています。また、カザフスタンの主要な空の玄関口であるアクタウ、首都アスタナ(ヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港)、そしてアルマトイの各国際空港をフォーカスシティとして位置づけ、広範な運航ネットワークの基盤としています。

長年にわたり、同社は安定した成長と発展を続けており、カザフスタン国内における空の移動を支える重要な役割を果たしています。

充実した路線ネットワークと国際的な地位

SCAT AIRLINESの最も顕著な特徴の一つは、その路線ネットワークです。同社は、カザフスタン国内の主要都市すべてを結ぶフライトを提供している他、国際的な路線網も積極的に拡大し続けています。現在では、国内外を合わせて60を超える目的地に就航しており、近隣諸国をはじめとする多くの国々とカザフスタンを結ぶ重要な架け橋となっています。

この積極的な路線拡張は、同社が中央アジアの航空業界において、単なる国内キャリアに留まらない、国際的な地位を確立していることを示しています。

また、2018年には国際的な航空業界の基準をクリアし、カザフスタンでエア・アスタナに続き2番目の航空会社としてIATAの正会員に登録されました。これは、同社の運航が世界的な安全および業務標準に適合していることの証しです。

安全性と信頼性を重視した保有機材の構成

■尾翼のロゴはプロペラのデザイン

SCAT AIRLINESは、運航の主要原則として「安全性」「信頼性」「快適性」を掲げており、特に保有機材の刷新プログラムに力を入れ、その原則を具現化しています。

現在のフリートは、ボーイング社製およびボンバルディア社製の航空機を中心に構成されており、効率的かつ安全な運航を実現しています。主力機材としては、最新鋭のボーイング 737 MAX 8や、地域路線で活躍するボンバルディア CRJ200などが挙げられます。

また、旅行会社向けのチャーター事業を行う子会社として「Sunday Airlines」を設立し、ボーイング 757-200やボーイング 767-300ERといったワイドボディ機を運航し、特にバケーション市場にも対応しています。このSunday Airlinesはチャーターで成田空港への飛来実績もあります。

運賃体系と付帯サービスについて

お客様のニーズに対応するため、SCAT AIRLINESは複数の運賃カテゴリーを設定しています。「Light」「Optimum」「Flexible」「Business Optimum」といった運賃クラスがあり、それぞれに異なる手荷物許容量や払い戻し規定が設けられています。

このように、SCAT AIRLINESは、カザフスタンを拠点に国際的な地位を高めつつ、安全性と信頼を基盤とし、顧客の利便性を考慮したサービスを提供することで、中央アジア地域におけるリーディング・キャリアとしての役割を確固たるものにしています。

 << 前のページに戻る