Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


【ドバイエアショー】Action Aviation 創業者から託された翼

2025/12/02 航空機

ドバイエアショーの地上展示機エリアにおいて、尾翼にBBJと描かれた美しい機体がありました。地元ドバイのAction Aviationが誇るボーイング・ビジネスジェット(BBJ)、P4-999です。

この機体の中で、2023年11月にCEOに就任したマーク・バトラー氏に自身のキャリア、未来への展望について話を聞きました。

ドバイの空で輝くBBJの翼

■機体の前に立つ同社パイロット

同機は広々としたキャビンと優れた航続性能により、今なお優位性のあるビジネスジェットとしての地位を保っています。この機体が世界的な舞台であるドバイエアショーに展示されたことについて、バトラー氏は「弊社のビジネスが揺るぎなく継続していることの、何よりの証明だと確信しています」と力強く語りました。

彼は、創業者である故ハミッシュ・ハーディング氏が生前、このBBJがドバイの展示機として並ぶ姿を見たら、きっと興奮しただろうと、在りし日の創業者を偲びます。

創業者の情熱が息づく「空飛ぶ邸宅」

■Action Aviation CEOのマーク・バトラー氏

BBJの取得は、Action Aviationの歴史における重要な節目だったと言います。バトラー氏は、「創業当初、まさか私たちがボーイング・ビジネスジェットのような大型機を所有し、ここまで事業を成長させるとは、夢にも思っていませんでした」と振り返ります。この機体は、チームの献身と顧客からの信頼の結果であると強調しました。

機体は、創業者自身が細部にわたりデザインしたものです。彼は自分の航空機に愛着を持っており、そのカラーリングには彼の冒険心とビジネスに対する哲学が反映されています。ハミッシュ氏が大切にしていたのは、「航空機を通じた世界との交流とビジネスチャンスの拡大です」とのことでした。

新CEOパイロット経験が培った決意

■機内の会議ルーム

バトラー氏自身のキャリアは、創業者のレガシーを継承するにふさわしい、多彩なものです。彼の航空キャリアは2004年、英国クランフィールド空港で始まり、その後は英国全土でベル・ヘリコプターの販売を監督する営業マネージャーの役割を担いました。

職業経験を積む傍らで、バトラー氏はプライベートパイロットの免許を取得し、シミュレーター会社のインストラクターとしても働いた経歴を持ちます。

この役割では、一般の人々に旅客機の操縦方法を教えることで、飛行への恐怖を克服する手助けも行っていました。この指導者としての経験と、航空機への深い理解が、彼の現在の基盤となっています。

新CEO参画の頃

■機内のベッドルーム

転機となったのは2008年、彼がAction Aviationに営業ディレクターとして入社したことです。彼は創業者のハミッシュ・ハーディングと密接に連携し、会社の初期段階を共にしました。

当時の会社は、新しいビジネスに挑戦する無限の可能性に満ちていたと言います。献身と努力、そして共通のビジョンを通じて、バトラー氏とハミッシュ氏は共に会社の成長と成功を育み、Action Aviationを航空業界の新たな高みへと押し上げました。

託されたレガシーを未来へ繋ぐ

■機内のバスルーム

彼はCEOに就任する前、ハミッシュ氏に対し、会社を継続させ、チームと彼の家族の面倒を見ることを約束しました。バトラー氏にとって、その約束は今も揺るぎない使命となっています。

2023年にCEOに就任して以来、会社の成長に重要な役割を果たしており、航空機運航や資金調達といった新分野への拡大も含まれています。

CEOメッセージ

■提供:Action Aviation機内レイアウト

バトラー氏は最後に、「このBBJをご覧になり、もしお客様の次の航空機取引の計画をお持ちでしたら、ぜひ弊社のチームにご相談ください。そして、最も重要なことですが、ぜひ私たちを通じて取引を成立していただきたいと考えています」と、今後のビジネスへの意欲を示し、インタビューを締めくくりました。

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