【ドバイエアショー】性能と快適性がもたらす価値あるガルフストリームが語るビジネスジェットの魅力
2025/11/29 航空機
楕円の窓で有名なビジネスジェットの最高峰と呼ばれる「ガルフストリーム」。 ドバイエアショーの会場で、日本での販売を行う丸紅エアロスペースとともに話を聞くことができました。
ガルフストリームのグループ副社長であるマイケル・スイフト氏は、最新鋭機の「G800」と一つ前世代の「G700」の差別化ポイント、そして日本市場を含むグローバルな成長戦略について説明しました。
G700とG800の明確な違い

スイフト氏は、G700とG800の主な違いは「航続距離と、実のところはキャビンのサイズ」であると述べました。「G800」の航続距離は8,200ノーティカルマイル(約15,186km)であり、G700の7,750ノーティカルマイル(約14,353km)と比べて少し長くなります。
「G700は全長が長く、G800との比較で追加の居住エリアリビングエリアを一つ多く得ることができます」。両機の間には「約3メートル、つまり10フィート」の差があり、顧客が「より広いキャビンがあなたにとってより重要ならば」G700が適していると話しました。
日本市場への取り組みとグローバルな成長

日本市場については、長年のパートナーである丸紅エアロスペースを通じて活動していると説明しました。丸紅は「日本に拠点を置き、市場に最も近く、現地の顧客や、日本での慣習や文化に関する作業を支援してくれています」。
日本市場は「安定している」としつつ、「成長していくことを期待しています」。ガルフストリームの製品プラットフォームは、「日本の市場に非常によく適合している」と確信しており、「アジア周辺をよりローカルに飛行するために新しいG300が必要な場合でも、アメリカやその先へ長距離で出発するためにG800やG700が必要な場合でも」対応できるとしました。
「これまで販売したことのない国々を含め、世界中の多くの場所で市場の需要を見ています」とし、「初めて購入するお客様の割合は、過去5年間で実際に大幅に増加しています」と、新規顧客層の拡大を報告しました。
国際ビジネスの成長戦略として、「様々な地域にもっとローカルになること」を目標としています。アジア太平洋地域では、「シンガポールで現地の人間を雇用しました」と、地域に深く精通した人材を配置し、ビジネスの強化を図っていると説明しました。
丸紅エアロスペース ジェネラルマネージャー 福澤正太氏が語る日本市場とガルフストリームの快適性

丸紅エアロスペースのジェネラルマネージャーである福澤正太氏は、日本市場の現状と、ガルフストリーム機が持つ具体的な快適性の優位性について言及しました。
日本市場の現状と普及への期待

福澤氏は、ガルフストリーム機が高価格帯であるため購入できる顧客は限られるものの、「引き合いは増えている」と、潜在的な需要の高まりを指摘しました。
• 利用促進:JALビジネスアビエーション(JALBA)やJAMSといったサービスは、購入前の顧客が「乗ってみたい」というニーズに応える役割を果たしています。
• ビジネスユースの推奨:福澤氏は、ビジネスジェットを「富裕層のプライベートジェットではなく、ビジネスジェット」として捉え、「閣僚の渡航にこそビジネスジェットを使って欲しい」と、公的な用途を含めた実用的な移動手段としての普及を強く期待しています。
ガルフストリーム機が誇る快適性の秘密

ガルフストリーム機が選ばれる理由の一つは、その機内における圧倒的な快適性です。
• 静粛性:機内の静粛性が非常に高いことが特長であり、ドアを閉めると静かになり、「乗るとわかる」ほどの違いがあると強調しました。
• 機体構造:この高い静粛性を支えるのが機体構造の剛性です。福澤氏によると、ガルフストリームの新しい型式であるG400からG800は「炭素繊維多用の787やA350が出る前より剛性高く製造」されており、この強固な構造で製造できる技術が安全性と遮音性の向上に貢献しているとのことです。
新世代機に負けない機内与圧

• 機内与圧:また、高く設定されている与圧は低い機内高度となり、乗員や乗客の体感高度を下げ、長距離フライトによる疲労や体への負担を軽減し、到着後のビジネスパフォーマンス維持に貢献しています。
日本での普及を願って

日本の航空利用シーンでは、まだまだ定期便が幅を利かせていますが、一度経験するとその良さが体感できると言います。ガルフストリームと日本で販売する丸紅エアロスペースともに優位性を披露しており、日本の空で一度飛んでみたいものです。
取材・文・写真:北島幸司
取材協力
★ガルフストリーム https://www.gulfstream.com/en/
★丸紅エアロスペース https://marubeni-gulf.jp/
Koji Kitajima(きたじま こうじ)
エアラインで30年以上勤務経験を活かし、航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材した内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを「Avian Wing」商用サイトにて発信中。航空ジャーナリスト協会に所属しています。
