Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


ANAはエンブラエルE190-E2を15機発注 “ポストMRJ”の現実的選択

2025/06/18 航空機

■ANAが発注したE190-E2と同シリーズでストレッチのE195-E2

ANAホールディングスは2025年6月16日、ブラジルの航空機メーカー・エンブラエル社の小型ジェット機「E190-E2」を15機確定発注し、さらに5機のオプションを設定したと発表しました。発表は現在開催中のパリ航空ショーの会場で行われました。

実績ある機材で“再構築”へ

■エンブラエルでの署名式の様子ANAHD芝田浩二社長、左はエンブラエルCEOフランシスコ ゴメス ネト氏

MRJ(のちのSpaceJet)計画のローンチカスタマーとして15機+10機の発注を行っていたANAにとって、今回の発注は“ポストMRJ時代”を象徴する現実的な機材選定と言えます。

E190-E2とは

■ANAが発注したE190-E2と同シリーズでストレッチのE195-E2(提供:エンブラエル)

E190-E2は100席クラスの最新型リージョナルジェットで、燃費効率の高さと静粛性に優れ、特に地方路線や短中距離の高頻度運航に適した設計です。

MRJ後の日本導入リージョナル機

■ANAが発注したE190-E2と同シリーズでストレッチのE195-E2

MRJ計画が度重なる延期を経て2023年に正式中止となった今、ANAはあらためて「実績ある機材」で再構築を図る段階に入ったとも言えます。E190-E2は既に全世界で100機以上が就航しており、安定した導入と運用が可能です。

導入機数は

■エンブラエルでの署名式の様子 ANAHD芝田浩二社長、左はエンブラエルCEOフランシスコ ゴメス ネト氏


今回の15機発注という数字は、MRJ時代の確定発注数と同じでありながら、オプション機数は10機から5機へと縮小されました。これは「市場環境の変化と、より慎重かつ柔軟なフリート戦略の反映」と受け取れます。

国内市場の変化とANAの選択

■航空ショー会場のE195-E2機内はKLMバージョン

国内線の需要構造がコロナ禍以降大きく変化する中で、人口減少やLCCとの競争を見据えたANAの運航ネットワーク再編において、E2の導入は機材のスリム化と運航効率向上の両立を目指したものと見られます。

今後のANAグループにとって、E190-E2は単なる代替機ではなく、地域航空ネットワークの再編とサステナブルな運航体制の要となることが期待されています。

取材:そらオヤジ組 

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