Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


日中航空路線開設50周年を迎え、中国国際航空は獅子が舞う記念式典を開催

2024/10/01 航空会社

日中間の航空路線は50年前の1974年9月29日に開設され、今年で50周年を迎えることとなりました。それを記念し、中国国際航空は9月6日夜、ホテルニューオータニにおいて「中日路線50周年記念式典」を行いました。当時は、羽田空港と北京空港を結び、CAAC中国民航はボーイング707-3J6Cで機体番号B-2418、JAL日本航空はDC-8-62を就航させました。

多くの来賓が集まりました

記念式典会場には、来賓として在日本中国大使館大使の呉江浩氏、中航集団副総経理で中国国際航空副総裁の厳飛氏、元内閣総理大臣の福田康夫氏、国土交通大臣の斉藤鉄夫氏、日本中国友好協会会長の宇都宮徳一郎氏、在日中国企業協会会長の王家馴氏、日本航空代表取締役会長の赤坂祐二氏、全日本空輸株式会社代表取締役社長の井上慎一氏が来場しました。ほか、在日中国企業協会会員や主要メディア、旅行会社、貨物フォワーダーなどの関係者総勢500人が1974から2024まで記された50卓に座り、式典を楽しみました。

会場に向かうと

大人数の来場者のために8つの受付が設けられ、来場者は受付を済ませると、盛花の並ぶ中を会場へと足を進めることとなります。会場へ向かうエントランスにはレッドカーペットが敷かれ、1974から始まる数字は会場に近付くにつれ数を重ね、会場内で2024になるようにデザインされていました。左右には、中国国際航空の過去からの映像が流されているコーナーや、ボーイング747の大型写真に来場者がサインできる場所が設けられています。

パンダも来場者を迎える

また大型パンダの人形が花に囲まれて来場者を迎える様子が演出されていました。上野動物園では、パンダの「リーリー」と「シンシン」が中国へ帰る時期と重なり、この前で写真を撮る来場者も多く見受けられました。更に数字は続きます。会場には、着席のテーブルが設けられており、卓にはすべて数字がふられ、1974卓から2024卓までの50卓に各10名が座り総勢500名の来場者を迎えています。

駐日大使の挨拶

呉江浩駐日大使は、挨拶で「中日両国の友好交流を強く後押ししてきた中国国際航空は、機体に中国の国旗を掲げことのできるフラッグキャリアとして、中日航空路において重要な役割を果たしてきただけでなく、近年においては国家主席など要人の輸送や五輪の際などの重要な輸送任務を担い、両国各界から高く評価されました。両国民が中日を結ぶ航路を利用し、双方向から歩み寄り、積極的に対面交流することで、相互理解と信頼を増進し、中日関係の発展のためにさらに民意を高めることのできるように期待しています」と述べました。

中国国際航空副総裁の挨拶

「中国国際航空は50年間にわたり、就航時の初心を忘れずに取り組んできました。現在、グループ会社である深セン航空、山東航空、マカオ航空は、旅客輸送便数を毎週500便を超えるまで回復させており、中日両国の相互交流に貢献しています。中国国際航空は『安全第一』の理念を貫き、社会的責任を果たしてきました。またオリンピック支援輸送や要人輸送などの重要な輸送任務において、高い評価を得ています。中日路線のさらなる発展を目指し、両国の文化交流と友好的往来に新たな貢献を果たしていきます」と述べた。

元総理の挨拶

福田康夫元総理は、「半世紀前に日中両国は国交正常化において、日中平和友好条約を締結しました。その後、日中両国を結ぶ航路が就航したことで、両国の人的往来と物的往来が盛んになっていきました。今後、日中を結ぶ航路がより重要な役割を果たし、両国関係を前進させ続けていくことを期待しています」と述べました。また、「多くの日本人が中国を訪問し、今の中国を見て欲しい。JALやANAが便を増やさないのであれば、中国国際航空が便を増やしていけばいい」と会場の笑いを誘っていました。

イベントも目白押し

会場内では、テーブルの間を自由に踊る中国の獅子舞と日本の和太鼓の共演が披露されました。躍動的な踊りは、中国の勢いをみるようでたくましく感じられました。多くの参加者が、獅子に頭を挟まれて、幸来たらんと願います。

ステージ演奏なども披露

ステージでは日中の演奏者5人による歌謡曲「空港」と「世界に一つだけの花」の演奏、さらには著名な書道ダンスアーティストの張屹さんによる書道とダンスを組み合わせた特別プログラムも披露されました。「飛」という文字が美しく輝いていました。

これからの日中関係

過去からの日中関係は、現時点で決して良い状態ではありません。政府間同士では、短時間では解決しないお互いの主張があることも理解できます。それでも、今回の記念式典のようにお互いを尊重する民間外交としてのイベントを重ねることにより、相互理解が進むことも考えられます。

OBとしての願い

個人ベースでの交流は途切れること無く継続しますように、中国国際航空のOBとしての筆者の願いです。

協力:中国国際航空 ⇒ https://www.airchina.jp/JP/JP/Home
 

Koji Kitajima(きたじま こうじ)


エアラインで30年以上勤務経験を活かし、航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材した内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを
「Avian Wing」ブログにて発信中。航空ジャーナリスト協会に所属しています。




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