Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


空港内のイビス ブリスベン エアポート ホテルで飛行機スポッティング

2024/03/23 航空機・空港

オーストリアのクイーンズランド州は、オーストラリアの航空史には欠かせない場所のひとつです。州都の街ブリスベン空港にも、航空機にまつわるホテルや展示があります。空路で繋がるロングリーチにはカンタス航空創業の地があることから、オーストラリア民間航空発祥地と言ってもいいでしょう。

現在、ブリスベン空港は日本の成田との間にカンタス航空とジェットスター航空がそれぞれ毎日1便ずつ運航していますので、アクセスも便利。

オーストラリアの都市規模で3位のブリスベン空港は1988年に開港し、敷地面積はオーストラリアで最大の2,700ヘクタールあります。南北に長く、北に国内線、南に国際線ターミナルビルがあります。今回、泊まったのは、国内線ターミナルビルの前にある「イビス ブリスベン エアポート」です。

モートン湾に面した空港は、西のブリスベン市内へ20㎞圏内で観光スポットへのアクセスが簡単です。街の喧騒を避けて、到着後すぐに荷物を置いて行動開始するのもいい考えです。

国内線ターミナルビルからは駐車場を挟んで243室の大型ホテルが見えており、迷うことはありません。

飛行機ファン向けパッケージがある

飛行機好きには、このホテルでの楽しみがあります。四方が空港の敷地であるこのホテルは、飛行機ファン向けに「プレーン スポッターズ パッケージ」を用意しており、スタンダードルームでの一晩の宿泊、朝食、観察用双眼鏡、12時以降のレイトチェックアウト、飛行機情報ファクトシート、最上階スカイ ラウンジ滞在権1 時間分がセットになり提供されています。

パッケージの内容は

スカイ ラウンジからの眺めがこのパッケージのハイライトとも呼べるもので、絶景のラウンジのテラス部分で撮影が楽しめるのは、とても楽しい経験です。

今回、このパッケージを予約してみました。午後2時開始のチェックインを待って、部屋に入ります。パッケージならではの東側に位置する国内線ターミナルビルが目の前の絶好のロケーションです。南側には、国際線のターミナルビルや管制塔が見えています。パッケージの双眼鏡は、紙製のオペラグラスですが、眺めるだけならこれで十分です。

クイーンズランド州の主要空港

この空港をメインに使用する、カンタス航空や、バージンオーストラリア航空、アライアンス航空、rex(Regional Express)などのエアラインのナローボディ機がひっきりなしに飛びかいます。国際線では、一気に大型機が姿を現します。エミレーツ航空のA380やカタール航空のボーイング777-300ERも見かけました。滑走路01Rは、かなりの頻度で離発着を繰り返していました。

部屋からの撮影も楽しいのですが、陽の出ているうちに屋上スカイ ラウンジを目指します。

スカイ ラウンジへ

フロントにラウンジへ行きたい旨を伝えると、案内のみ係員が付き添ってくれました。

訪問時は、ラウンジは営業時間前でしたので、広いテラスの空間を独り占めすることができました。隣接して建つプルマンホテルが視野に入る以外はほぼ300度程度の視野で空港の敷地が見えています。部屋から見えていなかった西側滑走路や、東西滑走路を結ぶアクセス誘導路が雄大に目の前に広がります。

ここでは、フライトレーダー24アプリを活用し、飛行機を追ってみました。熱中していると1時間は結構早く過ぎていきます。

長くカメラのファインダーを覗いていると、お気に入りの光景に出会えるもの。今回は、01R滑走路の延長線上で離陸機が浮き上がるあたりで構えていると、奥のフィッシャーマン島のブリスベン港に停泊するコンテナ船にコンテナを積み込むガントリークレーンと機体とのコラボレーションする光景を見付けました。

キングスフォード・スミス記念碑へ

一旦ホテルを出て、ブリスベン空港ホームページの「探検する」項目で見付けた場所に向かいます。国内線のターミナルビルから国際線へ、ターミナル連絡バスに乗って行ってみます。国際線ターミナルビルを出てエアポートドライブを目指し5分ほど歩くと、「キングスフォードスミス・メモリアル」が出現します。

歴史的名機に会う

この記念碑は、米国からオーストラリアへの初の太平洋横断飛行に加え、オーストラリア本土の初の無着陸横断、そしてオーストラリアとニュージーランド間の初の飛行を成功させたことで最もよく知られている、オーストラリアの飛行士サー・チャールズ・キングスフォード・スミスに捧げられています。

独立した建物の中には、キングスフォード・スミスがタスマン横断飛行に使用した飛行機フォッカーFVIIB「サザンクロス」が保存されており、ブリスベン空港はこの重要な遺産を管理しています。ガラス張りの建物は、誰でも接近して24時間無料で中の機体を眺めることができます。録音された音声案内も用意されていますので、理解を深めることが出来ます。

新旧フォッカー機

この機体を見たあとに、ブリスベン空港でゆかりのある同じフォッカー社の機体を見ることが出来たことは感慨深いものがあります。ホテルの部屋から眺めていると、ブリスベン空港をハブとするアライアンス航空は保有機の中にフォッカー100のあることがわかります。この中の1機は2018年にサー・チャールズ・キングスフォード・スミスのオーストラリア初飛来から90周年を記念した特別塗装の機体になっていました。

この機体を見ることが出来たことも、クイーンズランド州訪問の思い出となりました。記念碑は、ターミナルビルからも比較的近く、飛行機ファンなら訪れるべき場所です。

ホテルの朝

東向きの部屋から朝日が昇ると、国内線ターミナルビルにも陽が差します。天気のいい日には、飛行機の見える中で朝のマジックアワーを楽しむことが出来ます。これは贅沢な経験でした。

朝食会場へ

朝陽が差し込むイビス ブリスベン エアポートの 1 階にあるレストラン「クリブ アイランド ビーチ クラブ」では、素敵な時間を過ごすことができます。活気に満ちたビーチクラブ スタイルのビストロで、陽気なカリブの音楽が聞こえてきそうな環境です。朝の5時半から朝食ブッフェが用意されているのは空港らしくていいですね。

ライブキッチンのエッグステーションでは、ポーチド・ボイル・マフィン・スクランブルの4つのスタイルの卵料理をさっと作ってくれます。バゲット、サラダ、フルーツなども豊富です。天気の良い日には、テラスに出てみることもオススメです。

おススメのホテル

部屋に戻って、正午までの時間を引き続き飛行機ウォッチングで過ごすのも楽しい時間です。
気候の温暖なクイーンズランド州で拠点とするなら、このイビス ブリスベン エアポート ホテルの滞在がお勧めです。

取材協力:クイーンズランド州政府観光局 ⇒ 
https://www.queensland.com/jp/ja/home

     カンタス航空 ⇒ 
https://www.qantas.com/jp/ja.html

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