Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


アルマーニの眠りを体感するエティハド航空のビジネスクラスで贅沢な旅

2023/07/27 航空会社

■ドバイエアショーで地上展示されるボーイング787-10型機

今までに搭乗経験が無くて、ずっと乗ってみたいと思っていたエティハド航空。コロナ禍後の急激な旅客増で混みあい、他社では高止まりしている中で納得の運賃を見つけることができました。2021年ドバイ航空ショー会場でエアバスA350とボーイング787の清潔で落ち着いた雰囲気の機内を見たことと、エコノミークラスの席でもフィックスウィングと言われるヘッドレストでは片側方向で頭を支えてくれるワンランク上のサービスがあること、革手袋を着用した客室乗務員の制服が格式あって上品に見えたのも理由の中にあります。

エティハド航空に乗る

■ポルトローナ・フラウの上質な革を使用したビジネスクラスシート

予約をすると、結構な頻度でアップグレードのお誘いメールが来ます。これはなかなかの誘惑です。メールを見ていると、ビジネスクラスへのアップグレードを1セクター14万円~20万円ほどのオークション価格を入力するとマッチングすれば回答が来るシステムになっています。

その他にも誘惑は迫ります。アブダビ発パリのセクターではエコノミークラスに空きがあるようで、隣席1席につき1万円程度の加算で、最高3万円強を支払えば、ボーイング777の中央4席を一人で押さえることができます。寝て行きたい場合には選択肢の一つになります。

成田空港では、第一ターミナルビル北ウィングから出発です。フライトレーダー24でアブダビ発便を見ると、ボーイング787-9は順調に成田に向かっています。2017年導入の比較的新しい機材がアサインされていました。

ビジネスクラスで出発へ

■窓側席は後方を向いています

最終的には、ビジネスクラスへのアップグレードに挑戦して見事に落札できていました。15番ゲートから今回の搭乗機となるA6-BLSに搭乗すると、着席早々にシャンパンを含むウェルカムドリンクで迎えられました。窓側席は埋まっており、後方を向く席もある中で前向きの最後列中央右舷席を選びました。ペアの隣席とは電動のパーテションで完全に仕切ることができます。上げてしまえば隣が何をしているか全くわかりません。それだけ個室感が高くて寛げます。通路側の収納ボックスにはノイズキャンセリングヘッドフォンとミネラルウォーターのペットボトルが収められていました。右舷窓側の客は、後ろ向きで着席しており、なかなかユニークな配列です。

サイドテーブルにはアルマーニ・カーザのアメニティが置かれ、ベッドの足もとになる部分には、同じアルマーニの大きな羽毛布団がはちきれんばかりに畳まれて置かれています。いかにも寝心地が良さそうです。

豊富なメニュー

■サービスの用意をする客室乗務員

全てがハラール要件適合であり、飲食の提供方法は独特です。メニューを見ると、どの食事をいつ注文しても良い「ダインエニタイム」サービスを提供すると書いてあります。出発後に夕食として頼む「アラカルト」に加え、いつでも頼むことができる「オールデイ」メニューに分けて記載されています。

一般的なカートでのサービスは無く、依頼したメニューがトレイで運ばれてくるシステムです。夕食や朝食といった時間が想定されるメニューではなく、シートベルト着用サインの消灯時であればいつでもオーダーできます。提供側の客室乗務員にとっては大変な作業ですが、サービスを受ける側は自由度が高くて嬉しいですね。

セミフルコースで夕食を

■ボリュームのある前菜

飲み物で特筆すべきは、日本酒では岩手県の特別純米の「南部美人」が用意されていることで、デザート&フォーティファイドワインオーストラリアの2019年セミロン「ノーブルワン」デ・ボルトリワインが用意されていました。もうひとつは、ポルトガルの「ドウロ」があります。勿論のこと、赤・白・シャンパンにベリーニも揃い、モクテルも4種揃っています。

コーヒーの種類にも驚きます。ホットで12種、アイスでも4種がラインアップ。食事に合う飲み物が必ず見つかります。

セミフルコースのメニューの中から次のような選択をしてみました。
前菜:アラビア風温製と冷製の前菜
メイン:牛肉の煮物とアジア野菜
デザート:フォンダンショコラにストロベリームースケーキを追加しました。

牛肉の夕食

■メインの牛肉の煮物

メインは他にサーモンのタマリンドクラスト、マトンコフタ、ベジタブルカレーの計4種からの選択でした。お腹の空き具合によって前菜にマグロやキャロットスープも追加できます。

デザートも満足

■デザート2種とカプチーノ

締めにチーズ、デザートには抹茶ムースケーキ、フルーツ、ハーゲンダッツのアイスクリームもあり、かなり充実しています。

日本人客室乗務員に聞く

■稲田 優さんに聞きました

この便には、日本人客室乗務員の稲田 優(いなだ ゆう)さんが乗務していたので、話を聞いてみました。アブダビをベースに世界中への路線に乗務するとのこと。10年の経験がありますが、前職は事務職だったと言います。「私はキャビンシニアという役職で、ワイドボティ機ではエコノミークラスの責任者になり、ナローボディ機に乗務する時はマネージャーで全体の責任者になります。現在では、この役職は日本人客室乗務員の中では5名のみアサインされています。皆で助け合って仕事が出来て、働きやすい環境ですので、長く勤めたいと思います。機内で見掛けた時はお声掛けください。」と話してくれました。

イタリアのリネンで休む

■足元には羽毛布団が置かれています

アブダビまで7時間ほどの残り時間はシートをフルフラットにして休んでみました。エティハド航空のビジネスクラスシートはイタリア製高級家具メーカーのポルトローナ・フラウが作り出す上質な革が使われており座り心地が良い上に、アルマーニ・カーザの羽毛布団を載せた高級な触感が深い眠りへと誘います。

2回目の食事

■満足の軽食

到着前にもう一度の軽い食事には、オールデイメニューには4つの選択肢があります。ローストビーフサンドイッチ、寿司、鱈フィレ、ミックスリーフサラダはどれも魅力があります。その中から寿司を選び、別のアラカルトメニューにある季節の新鮮なフルーツをお願いしてみました。寿司はサーモン、エビ、ウナギ、玉子と四貫で地上と変わらぬ美味しさです。フルーツは丁寧にカットされていてみずみずしかったです。

深夜の乗り継ぎで次の目的地へ

■アブダビ空港に到着したエティハド航空機

中東経由でエティハド航空が他社と違うのは、経由地での現地時間です。エティハド航空は、他社が早朝乗り継ぎになるのに対し、深夜になります。これは好みの問題だとは思いますが、深夜であれば、日本発のフライトで寝足りなくてもまだ時間が多く残されているという点で安心感があるのがいいと思います。

初めてのエティハド航空ビジネスクラスの利用は、イタリアの優れたシートとリネン2つのブランドのお陰でワンランク上の高級感で満ち足りたものになりました。

Koji Kitajima(きたじま こうじ)


日系、外資エアライン計4社で30年以上勤務し、旅客、貨物業務を空港と営業のフィールドでオールマイティに経験しました。航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材し、その内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを「空旅のススメ」ブログにて発信中。
航空ジャーナリスト協会に所属しています。



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