Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


エア・カナダで紅葉のモントリオールへ向かう2022秋の旅

2022/10/24 航空会社

■エア・カナダの今
エア・カナダはカナダのフラッグキャリアであり、最大のエアラインです。日本からバンクーバー、トロント、モントリオールの路線を就航させていましたが、コロナ禍で減便。成田発着のバンクーバー線は継続していましたが、トロント路線を2022年4月28日に、モントリオール路線は6月4日から再開しました。機材はボーイング787-8/9型機を使用しています。

カナダの紅葉シーズンとなる9月下旬から10月にかけてモントリオールと世界遺産の街ケベックシティを巡る旅に出ました。紅葉の名所となるメープル街道の一部はモントリオールからケベックシティに重なるルートになります。

■成田国際空港へ
スターアライアンスに属するエア・カナダは成田国際空港第一ターミナルビルから出発します。展望デッキに向かうと、同時刻にトロントに向かうエア・カナダの航空機も見えています。日によって投入される航空機はボーイング787-8もしくは–9となり、-8では旧塗装も残されています。

新塗装はカナダらしい濃いグリーンの尾翼に真っ赤なメープルリーフが描かれ、エアバスA350で話題となったコックピットウィンドウまわりの黒いゾロマスク塗装がボーイング機にも使われるのはメリハリがあり好みのデザインです。機体全体が淡いブルーで尾翼のドットの中にメープルが浮かぶ旧塗装もいいですね。

エア・カナダは北米のエアラインだけに、アメリカ本土への渡航にも人気があることは乗り継ぎの利便性が高いことで証明されています。コロナ禍前には人気渡航先となっていたメキシコ、南米やキューバへの乗り継ぎの旅にも好評なエアラインです。

■機内へ
今回搭乗する機材は、ボーイング787-8(機体番号C-GHPV、尾翼番号804)です。エア・カナダのホームページを見ると2014年9月に導入したことがわかります。エコノミークラスは3-3-3配列の標準タイプ。出発日は、ワクチン接種証明の提示など、制約が残された時期で搭乗率は6割ほど。マスクの着用は必須でしたが、ゆったりとした空間で空の旅を続けることができました。

IFEは9インチ大画面

インフライトエンターテインメントはタッチスクリーン9インチの大画面。下部にはUSBポートとヘッドセットのジャック差込口が備えられています。これが優秀で、暗くなった機内では近付けるとポート部分が淡く光ります。無料で配られるシングルピンのオーディオジャックは、エア・カナダのロゴ入りで次回のフライトに備えて持ち帰ることもできます。

チキン南漬けの夕食です

シートはヘッドレストが調節できる折り畳み式で、左右のヒンジを内側に曲げて頭を固定する位置にセットすることができます。わざわざネックピローを持ち込む必要が無く、睡眠に適しています。

■Wi-Fiは有償で
機内Wi-Fiサービスは有償で提供されています。1時間CAD8.75(6.5)、フライト時間中CAD25(21)、一日CAD34.95という値段でした。現在の1CADは約108円です。仕事をする方には便利で必須ですね。( )内は事前購入の値段。

■インフライトエンターテインメントは
数多くの映画やドラマの中から、今でも映画館で大ヒットを続けるトム・クルーズのトップガン・マーヴェリックを観ることができました。最新の映画を観ることができるのは嬉しいです。実は、帰路でも同じ映画をもう一度見ることになるのですが・・・。

画面では、機内食のメニューを見ることができます。エア・カナダのExecutive Vice President and Chief Commercial OfficerのLucie Guillemette氏のサイン入りであり、エア・カナダが自信と責任をもって提供しますという姿勢が伝わってきます。

■機内食は
楽しみにしていた機内食は、全ての料理のパッケージがカバー付きでサーブされ安心して食べることができます。出発後の夕食は、前菜でミックスビーンズとパスタサラダ、メインにチキンの南蛮漬け、ひらたけ、ブロッコリー、にんじんが添えられます。もうひとつのチョイスは、ハンバーグステーキのエスパニョールソースでした。ヘルシーでバランス良く、味の確かな機内のレストランで良い時間を過ごせました。

ボーイング787 エコノミークラスシート

ドリンクは、赤・白ワイン、ビール、スピリッツ、ジュース各種、コーヒー、オレンジペコティーなど選ぶことができます。

成田国際空港を夕刻に出発し約12時間フライト。映画を見ていると夕食後には自然に眠くなり普段通りにしっかり眠ることができました。

フライトの半ばで小腹が空いたなら、ギャレーに向かうといいですね。サービスカートが出されて、ミネラルウォーターのボトルとスナックのプレッツェルが置かれています。その後も座席にいると、定期的にミネラルウォーターのサーブに客室乗務員が回ってくれますし、中間食としてエッグサラダとハムのサンドイッチも配ってくれます。

話しをしたKirkさん

ギャレーでは、客室乗務員のKirk Kellyさんが飲み物を勧めながら旅の話しに付き合ってくれました。モントリオールとケベックシティに行くと言うと、それが一般的だがベストな旅程だね。と言います。ケベックシティに3泊は十分で、郊外にもいい所が多く、足を運ぶといいよと言いつつ、日本より少し寒いから気を付けてと優しく声を掛けてくれました。短い時間でしたが、いい気分転換になりました。

朝食をいただきます

■そして朝食へ
モントリオールの到着1時間半ほど前になると朝食が提供されます。ひとつは、麺類で炒めうどん、豚肉、野菜、紅生姜添えでもう一品は洋食のスクランブルエッグ、チーズ、ポークソーセージ、パセリローストポテト、ドライトマト、ブロッコリーとなります。

眠った後で体調は万全。全て美味しく食べることができました。

機窓でモントリオールの街の様子を眺める

モントリオール到着前には、セントローレンス川沿いに発達したダウンタウンの様子を機窓で眺めながらこの先の観光に思いを馳せます。

モントリオール空港ターミナルビル内です

■モントリオール空港ターミナルビルへ
到着したモントリオール空港では、Arrive CANというアプリの提示を求められたのですが、10月1日以降は、ワクチン接種証明も含め、このアプリも不要となりました。

モントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港は、カナダ第二の都市らしい大空港であり、コロナ禍にも関わらず多くの旅行者で賑わっていました。

日本の空港との違いは、空港ターミナルビル内各所に空港3レターコードとなるYULの文字が掲げられていることです。赤いデザインのYULマークは目立ちます。

エア・カナダの2023年

【画像:エア・カナダ提供】

■エア・カナダの今後
エア・カナダは3月26日(日)から始まる2023年夏スケジュールにおいて日本-カナダ間の主要路線を戦略的拡大として運航再開するとこの10月18日に発表しました。主要な内容は以下の通りです。

● 東京(羽田)-トロント線を運航再開(通年の毎日運航)
● 東京(成田)-トロント線・モントリオール線を増便(毎日運航)
● 大阪(関西)-バンクーバー線を運航再開(夏期限定の週4便)
● シグネチャークラス(ビジネスクラス)、プレミアムエコノミー、エコノミーの3クラス編成

エア・カナダ アジア太平洋地区統括支社長のワイス貴代氏は次のように述べています。

「エア・カナダでは航空需要の高まりに備え、グローバルネットワークの拡大に向けてしっかりとした取り組みを継続しています。その一環として、2023年夏より、日本とカナダ国内の3つの主要ハブ空港を結ぶ重要な路線で運航再開と増便を決定いたしました」

「東京-トロント線は、羽田と成田の両空港から毎日1便が運航。さらに、モントリオール線とバンクーバー線の毎日運航に加え、人気の高い大阪線も復活します。この日本-カナダ間の充実したネットワークは、日本とカナダはもちろん、世界中の人々をつなぎ、旅を身近なものにし、各地の観光・ホスピタリティ産業の発展に寄与できると確信しております。ご予約の受付もすでに始まっておりますので、どうぞ安心してカナダ旅行をご計画ください。皆さまのご利用を心よりお待ちしております」とのことだ。

再開便のスケジュールは以下の通り。

来年の夏スケジュールでの復便を語るワイス貴代氏

【画像:エア・カナダ提供】
【画像:表記以外は筆者撮影】

取材協力:エア・カナダ ⇒ https://www.aircanada.com/jp/ja/aco/home.html


Koji Kitajima(きたじま こうじ)


日系、外資エアライン計4社で30年以上勤務し、旅客、貨物業務を空港と営業のフィールドでオールマイティに経験しました。航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材し、その内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを「空旅のススメ」ブログにて発信中。
航空ジャーナリスト協会に所属しています。


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