Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


シカゴのヒルトンホテルから飛行機を眺めよう!

2022/07/12 空港

【写真】ヒルトン シカゴ オヘアエアポートから見た空港の様子

アメリカで毎年初夏にエアラインファンの祭典Airliners Internationalが催されます。開催場所は主催者の理事会で決まり、第45回はシカゴで行われました。

このイベントは空港近くのバンケットルームが広い、メジャーなホテルのあることが必須条件になります。今回は、オヘア空港東隣りにあるヒルトン ローズモント シカゴ オヘアとなりました。

広いバンケットが必須なイベント

6月23日から25日までの3日間はホテルの内部がエアライナーファンで埋め尽くされます。ホテルのバンケットルームを使用し、5つで1500㎡の部屋の中に200以上のテーブルが並び、エアラインロゴのある、あらゆるグッズが並びます。欧州でも盛んな同様のイベントですが、このAirliners International(AI2022ORD)は世界最大級というのも頷ける規模です。

ヒルトン ローズモント シカゴ オヘアの全景

まずはホテルのフロント近くのレジストレーションデスクで受付を済ませます。ここでは、筆者は3日間の入場およびツアーアクセス権を60ドルで購入しており、予約記録の確認とともにプログラムとエアライングッズの入ったブーティーバッグ(戦利品袋)が渡されました。

眺望の待つ部屋へ

その袋を持って最上となる10階の予約した部屋に向かいます。29㎡の広さのキングサイズベッドルームに入り、レースのカーテンを開ける瞬間は眺望が楽しみです。

目の前には想像以上の絶景が広がっていました。正面に広がるシラーウッズの森の奥に25キロほど離れたダウンタウンの摩天楼が見えています。視点を近くに移すと右方向には、隣接するヒルトン系のエンバシー・スイーツとダブルツリーbyヒルトンのサインの見える建物が見えています。

飽きないダウンタウンの幻想的な眺め

フライトレーダー24のアプリを見ていれば、どの飛行機がアプローチしてくるかわかります。室内のソファーに座って待機し、居ながらにして雄大な景色を堪能できて飛来する機体のスポッティングが楽しめます。

昼間とは別次元で美しい眺望になるおススメの時間帯は、朝日の上がる頃。朝焼けにオレンジに光るビル群の反射が朝もやの中で街並みに美しさを添えてくれます。世界中から、全米各地から深夜、早朝に飛んでくる小さな航空機が近付くと、キラリと光り、その美しさに目を奪われます。滞在期間中何枚も写真を撮りました。

最上階のプール

ホテルの施設としては、他にアスレチックルームと最上階には室内プールがあり、明るい窓からは泳ぎながらでも航空機の発着を見ることができます。

朝食会場の「Liberty Tavern」

出入口脇のロビー階には、スターバックスコーヒーがオープンしています。
近くにはレストラン「Liberty Tavern」があり、朝食を食べてみました。1920年代のアメリカングリルの店をモデルにできた店舗です。アメリカンブレックファーストのブッフェメニューが揃い、朝から充実した時間を過ごすことができました。

ヒルトン系列の3ホテルが並ぶ

このエリアは、パークウェイ・バンク・パーク・エンターテインメント・ディストリクトに隣接しており、映画館やショッピングセンターなど施設が充実しているのも特徴です。

空港の目の前

シカゴではもう一か所、泊まってみたいホテルがありました。それは空港内で営業する唯一のホテル、ヒルトン シカゴ オヘアエアポートです。

27㎡のエアポートビューでキングサイズベッドルームです。ローズモントホテルから空港行きのシャトルバスに乗れば、各ターミナルビルに送って貰えるのですが、ターミナル2の位置が丁度ホテルの真正面になります。

このホテルのすごさは、ターミナルビルと地下通路で結ばれているところです。ダウンタウンへ向かうCTAブルーラインの駅があるだけでなく、空港内ターミナルビルを結ぶATSエアポート・トランジット・システムの駅も目の前です。

このような場所なので、眺望も期待できます。カーテンを広げると、目の前のターミナル2だけでなく、隣接するターミナル1、3に駐機する航空機が、まさにそこここと翼を休めている様子がわかります。滑走路10Cからの離陸や、風向きによって28Rへの着陸機も良く見えていました。本社のあるユナイテッド航空と拠点を置くアメリカン航空の機体がグループ会社のリージョナルジェットも含めて多く飛来します。

部屋の向こうは空港です

ここまでの大きな規模の空港になると、一般的な空港の管制塔以外にも各ターミナルにエアラインが管理するグラウンドコントロールという駐機する航空機の管制塔も存在し、部屋からは計5塔が確認できました。さすが2020年で世界第4位の旅客数を誇るエアポートだけあります。

部屋は大きな4面の窓で構成された眺望が用意されていますが、そのどこからでも、東西に視野を広げて空港敷地内の様子を見ることができる素晴らしい環境を提供してくれています。

広大な地下通路でターミナルビルへ

【写真】地下からターミナルビルへ抜ける通路(上)
ホテル最大のバンケットルーム(中)
Andiamo(下右)とアボカド・トースト

レストラン「Andiamo」では、朝食を食べました。選んだメニューは、アボカド・サラダサンドウィッチ。アボカドがカリっとしたトーストにのり、半熟卵の黄身と合わさり、極上の味となる朝食です。

ここにも多くのバンケットルームと地下にはアスレチック施設と室内プールもありました。

世界122か国で18ブランドを展開し、6,900軒で百万室ものホテルグループとなったヒルトンブランドであることは安心の保険が掛かっているようなもの。そこに日本では見ることのできない規模の空港の眺望があるのですから、飛行機好きにはお勧めしたいホテルです。

取材協力:ヒルトンホテル ⇒ https://hiltonhotels.jp/

Koji Kitajima(きたじま こうじ)


日系、外資エアライン計4社で30年以上勤務し、旅客、貨物業務を空港と営業のフィールドでオールマイティに経験しました。航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材し、その内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを「空旅のススメ」ブログにて発信中。
航空ジャーナリスト協会に所属しています。



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