Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


開港以来 成田国際空港の国際航空貨物取扱量が7,000万トン達成した

2022/04/27 空港

成田国際空港株式会社は4月15日、1978年5月に成田国際空港が開港して以来の国際航空貨物取扱量が7,000万トンに達したと発表しました。

成田空港節目の貨物取扱量 成田国際空港株式会社HPより転載

44年で達成した数字を振り返ると、最初の1,000万トンまでは12年8か月と長く掛かったものの、以降は4~6年のペースで節目の量に達し、6,000万トン以降は4年6か月と最短タイの期間で1,000万トンを上積みしました。

成田空港で地上滑走するAir Bridge CargoのBoeing747-400F

国際貨物は多くのイベントリスクの影響を受けますので、右肩上がりという数字にはなっていません。過去には1990年湾岸戦争、2001年米国同時多発テロ、2003年SARS、2009年リーマンショックなどで貨物量が抑えられたことが記録として残ります。1997年以降の増加ペースはほぼ一定ということがわかります。

成田空港で地上滑走するNCA日本貨物航空のBoeing747-8F

それでも一日当たりの平均取扱量は6,000トンにもなる訳で、毎日輸出入でジャンボジェット貨物機を60機扱うことと同程度の数字は大きなものがあります。
この先はコロナ禍でECの増加などや海上貨物の混乱の影響を受けて、8,000万トンまでは最短で更新する可能性もあり、注目されています。

Polar Aircargoのボーイング747-400F

4月26日には第一ターミナルビル16番サテライトで記念式典が行われました。

世界の空港貨物取扱量ランキング (Air cargo worldより転載)

この成田国際空港の貨物取扱量は、2020年の年間で言うと201万トンとなり、世界の空港と比較すると11位というランクになります。世界一はFedexのメインハブであるメンフィスで年間461万トンを扱います。アジアでは、香港、上海、ソウル、台北に次いで多い物量となります。

成田空港で地上滑走するNCA日本貨物航空のBoeing747-8F

日本一のエアカーゴ基地としてこれからも利扱い量を増やしていくことでしょう。

Koji Kitajima(きたじま こうじ)


日系、外資エアライン計4社で30年以上勤務し、旅客、貨物業務を空港と営業のフィールドでオールマイティに経験しました。航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材し、その内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを「空旅のススメ」ブログにて発信中。
航空ジャーナリスト協会に所属しています。

■プロフィール : https://airport.aviationworld.jp/koji-kitajima.html





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