Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


電車・バス・飛行機好きの為の充実日帰り旅行「ナリタののりもの大満喫ツアー」

2020/12/16 航空会社

■ツアーの概要
京成トラベルが主催した、京成グループとジェットスターのコラボ商品
「のりもの好き集まれ!ナリタののりもの大満喫ツアー」。京成電鉄の電車、成田空港交通のバス、ジェットスターの航空機を楽しめるツアーが12月12日に実施されました。

■京成上野駅集合
当日、朝9時過ぎに京成上野駅に集まった参加者は、計100名。4つの班に分かれてスカイライナーに乗り込みます。車内では、現役運転士が案内役を務め、実際に走行しながらの車内での解説に、参加者がみな真剣に聞き入ります。

写真 : 機内インストラクター役の機長と客室乗務員、ジェッ太と京成パンダ

スカイライナーの裏話を聞きながら

沿線には、日本一のメガソーラー施設があるとのこと。成田新幹線計画があり、用地を確保していたものの計画が中止。その跡地となる小室駅から印旛日本医大駅までの10.5㎞に細長くソーラーパネルが敷設されたといいます。

写真 : 車外カメラを見ながら運転士による解説

スカイライナー運転士による解説

スカイライナーの売りは、何といってもそのスピード。一般列車の制限速度が120㎞に抑制されているのに対し、スカイライナーは印旛日本医大駅から空港第2ビル駅までの区間で160㎞走行が可能だそう。これは日本の私鉄の最速を誇ります。

安定して日本一の速度を保つために、他社には無い6つの信号パターンを表示する信号機があるなど、楽しい裏話を聞きながら、あっという間に成田空港(第1ターミナル)駅に到着しました。

バスに乗って車庫へ

バスに乗替え、飛行機ウォッチングで有名なさくらの山近くの成田空港交通の本社営業所に向かいます。車内では職員の案内で、クイズ大会や、バスの話を聞くことができました。車内はエコキメラという抗菌処理が施され、安心して乗車して貰えるとのこと。クイズの回答は、降車ボタンを押して知らせます。

営業所に到着すると、乗車したままでバスの洗車体験がありました。使われる水量は300ℓとさほど多くないのがエコです。長さ3.6mのブラシが前後に動いての洗車。普段は見られないバス車内からの洗車光景は新鮮で、非常に楽しい体験でした。

写真 : バスと記念撮影する家族

高速バスとの綱引き

高速バスへ乗換え、車内で万が一運転士が病気になった時のためなどの緊急停止ボタンの操作体験もありました。高速バスとの綱引き体験などもあり、童心にかえったような楽しい時間を過ごすことができました。

■航空科学博物館へ
バスは、A滑走路沿いに航空科学博物館へ向かいます。そこには、2つの公式キャラクターが参加者を迎えていました。ジェットスターの「ジェッ太」と京成電鉄の「京成パンダ」です。航空科学博物館では各種シミュレーターなどを楽しみ、飛行機が並んだ広場などの散策、その後バスは空港内のレストハウスへ昼食に向かいました。

写真 : バスの綱引きの様子です

フライト体験へ

最後はお待ちかねのフライト体験です。第三ターミナルビル162番ゲートからジェットスターGK1003便エアバスA320に搭乗します。ランチの時間に機側での記念撮影が当たった家族、グループが先に飛行機に向かい、機体横にスタンバイしたジェッ太やパイロット、客室乗務員と共に機体を前に記念撮影をすることができました。

■いざ離陸
「ご搭乗ありがとうございます」と書かれた横断幕を持った職員の見送りを受け、機体はゆっくりと動き始めました。機内では、当日のパイロットとは別にアサインされた機長がインストラクターになり、飛行機の話を披露してくれます。タキシングの途中では、いつもパイロットがコックピット内で行う離陸前のチェックとのことで、左右の主翼の上にあるエルロンと呼ばれる揚力装置などの動きを実際に客室から目視しながらの説明はリアルでした。

写真 : インストラクター役の機長の解説

マスク越しの笑顔がわかる機内サービスの様子

離陸後、シートベルトサインが消えると、機内サービスが始まり、おしぼりと共にペットボトルの緑茶とワッフルが配られました。

機内イベント盛りだくさん

搭乗証明書が配られ、インストラクター役の機長のアナウンスに沿って、当日の飛行距離、速度、高度などを書き入れます。モデルを手に航空機の説明もあり、さながら航空教室の様相です。搭乗したのはJA02JJで、翼端はウィングチップですが、モデルはシャークレット付きで燃費が3%改善されていると案内がありました。

客室乗務員の仕事案内では、出発前のブリーフィングを8分で終え、機内搭乗後10分で装備品、搭載品、販売品の確認をするなど、時間を厳守しながらチームワーク重視で業務を行うと話がありました。

イベントスタッフも乗り込み、機内のあちらこちらで記念撮影の笑顔がはじけます。参加者のアナウンス体験では、いいアナウンス方法の伝授があり、マスク着用でのサービス中には、「笑声=えごえ」を重視すると上手にできると教えてくれました。アドバイスに沿った参加者のアナウンスは、普段よりもいい発声ができたのではないでしょうか。〇×クイズもあり、イベント満載です。

画像 : 客室乗務員の仕事案内の様子

1時間40分の飛行体験

機体は成田空港の滑走路34Lから離陸し、埼玉、甲府に向かい、機窓からは靄に包まれた神々しい富士山が望めました。その後、中津川から浜松、三宅島上空を飛び、成田空港滑走路34Rへ着陸する1時間40分の体験でした。

画像 : 機内から見た富士山です

降機後の客室乗務員に話を聞くことができました。

■機内での反応をどのように捉えていますか。
―同じ目的を持たれたお客様が搭乗されており、めいっぱい楽しんで頂こうと考えておりましたので、サービスがやりやすかったです。なかなか出掛けることがままならない中、今回のツアーに参加され、満足できたと聞きました。幅広い年代の方に楽しんで頂けたことで、今後に繋がっていくと思います。希望が通るなら、またこのようなチャーター便に乗務したいと思います。

■ジェットスターの感染症対策を教えて下さい。
―コンタクトレスでのチェックインを徹底しております。また、機内は外気を取り入れた換気がされていることに加え、お客様の手の触れる場所を中心にこまめに除菌作業を行っていますので、安心してご搭乗いただけます。

お客様に楽しんで貰いたい主催者側と、乗り物好きの参加者100人の思いがひとつの方向に向かい、満足度の高いツアーが完成しました。コロナ禍の中、乗り物の感染症対策も理解できた充実の一日でした。

写真 : インストラクター役の機長と客室乗務員4名による記念撮影

取材協力


京成トラベルサービス株式会社 ⇒ https://keiseitravel.co.jp/
ジェットスター・ジャパン株式会社⇒ https://www.jetstar.com/jp/ja/home


Koji Kitajima(きたじま こうじ)


日系、外資エアライン計4社で30年以上勤務し、旅客、貨物業務を空港と営業のフィールドでオールマイティに経験しました。航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材し、その内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを「空旅のススメ」コラムにて発信中。
航空ジャーナリスト協会に所属しています。

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