Aviation Journalist

航空ジャーナリスト 北島幸司


フィンエアーの客室乗務員は自社のPR大使〔前半〕

2020/02/12 航空会社

■フィンエアーの強み
日本からの欧州直行便で一番近い都市が、フィンランドのヘルシンキ。ここから欧州各地へ向かう地理的な優位性を生かして、フィンエアーは日欧間を飛ぶエアラインの中で単一路線では最大手のルフトハンザドイツ航空や日系エアラインよりも多くの便数を就航させています。

写真 : 成田空港に飛来するA350-900型機

座席の様子

フィンエアーは、2015年に欧州のエアラインで最初に最新鋭機A350を導入し、日本線には2017年に就航が始まりました。ビジネスクラスが1-2-1配列で46席。3-3-3の標準配列でエコノミークラスが251席で、43席のシートピッチの広いエコノミーコンフォートシートが含まれています。

今回は、ビジネスクラスに搭乗しました。水色のシートはフルフラット。リバースヘリンボーンシートは窓側に向って足を延ばす最新型で、窓に背を向けるヘリンボーンシートよりプライベート感がありくつろげます。窓側で斜めになる空間には収納があり、大型テーブルが収まります。通路側はひじ掛けにもなる上下に動くデバイダーとヘッドフォンが入る収納があります。中央席は、隣り合う2名の足もとが寄り添うプライバシーを保ちながら過ごせる構造です。

足もとの横に収納があって、機内誌「Blue Wings」と機内販売の冊子などがミネラルウォーターのボトルとともに納まります。トラベルキットと呼ばれるアメニティはマリメッコブランド。スウェーデンのスキンケアブランド「L:a Bruket」が入っています。フィンエアーの為に開発されたもので、特別デザインで提供されていました。

写真 : ビジネスクラスの快適なシート

サービス中の日本人客室乗務員

機内誌と免税品販売

機内誌では、新千歳空港への就航開始に合わせて札幌特集が組まれていました。北欧ではスノースポーツが有名ですが、札幌のパウダースノーが紹介され、訪日観光を促進します。同じ記事中に富良野の居酒屋が掲載されるなど、かなりローカルな話題が英語で出ていて興味深いものがありました。

機体重量が重くなり、燃費が悪くなる環境問題で機内販売は減少していますが、フィンエアーでもその傾向があります。全体の7割以上となる93ページがプリオーダーで35ページが機内販売という構成。事前に注文ができるプリオーダーだと、売れただけ搭載し機内でお客様に渡されるので無駄のない手法です。

写真 : エコノミークラスでサービス中の客室乗務員

インフライト・エンターテインメント

インフライト・エンターテインメントはタッチパネルで最新映画など楽しめます。映画・TV・音楽・ゲーム・インターネット別にプログラムが用意されています。インターネットは「ノルディック・スカイ」のサービス名称があります。ネット接続はビジネスクラスでは1時間無償サービスとなります。その後有償ですが、新聞や雑誌は一部無償で提供されています。日本語では、「毎日新聞」の電子版最新号を読むことができました。

フライトの詳細チャンネルでは飛行時間の経過やサービス内容の確認、途中「ルートマップ」で位置確認ができます。「ノルディック・スカイ」で有償・無償の軽食と飲み物の注文ができ、免税品予約して帰国便で受け取ることができます。到着前には乗継便のゲート確認ができるなど、様々なシーンで便利に使えます。

写真 : 夜の滑走路灯を写し出すIFE画面

機内食の時間

ビジネスクラスは「ノルディックサービス」と呼ばれ、フルコースで提供されます。食事に合わせるお酒は、4種のカクテルや、ジョセフペリエのシャンペンなど。最初にアミューズが登場。サーモンタルタルが皿の上で立体的に盛られています。

続いてサラダとセロリのクリームスープが提供され、メイン料理へと続きます。当日は、ニジマスの白ワインソース、豚肉の和風ローストがメニューに掲載されていました。今回は事前にインターネット予約で「シェフのおすすめ」料理を頼んでいました。楽しみに待っていると、実際に提供されたのは鹿肉でした。
馴染みはないものの、くさみなどなくコクがあって、柔らかい肉はすぐに平らげてしまいました。
最後に、唐辛子風味のチョコレートケーキ・オーガニックアイスクリーム・フルーツから好きなものを選びます。メイン料理で鹿の肉が選べるのもフィンエアーらしいですね。

写真 : アミューズの皿です

デザートとコーヒー

⇒ フィンエアーの客室乗務員は自社のPR大使〔後半〕へ

■協力:フィンエアー ⇒ https://www.finnair.com/jp-ja

■Koji Kitajima(きたじま こうじ)

日系、外資エアライン計4社で30年以上勤務し、旅客、貨物業務を空港と営業のフィールドでオールマイティに経験しました。航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材し、その内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを「空旅のススメ」コラムにて発信中。
航空ジャーナリスト協会に所属しています。

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