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JAL/HafH航空サブスクを利用してみた

2021/10/21 北島幸司・特集記事

航空サブスクとは


日本人の消費行動でサブスクリプション(継続定額購入、以下サブスク)が活発になっています。旅行分野では2018年以降に宿泊施設で始まり、航空業界ではANAが2020年1月にトライアルを開始しました。

今回、体験したのはJALと定額宿泊サービスの株式会社KabuK Styleの提供する「HafH」が提携して始めた「航空サブスクサービス」です。HafHの月3泊ができるスタンダード会員以上への登録(通常期9,800円、キャンペーン期間中2,980円、現在のキャンペーン価格4,980円)が必須で、航空路線3往復が36,000円という値段で提供されるもので、8月1日の売り出し開始日で300人分と追加募集の200人分が即日完売しました。

実証実験のもと始まったこのサービスは、羽田空港発着で北は新千歳、釧路、南は那覇、宮古を含む山形、小松、南紀白浜、高知、宮崎、長崎の10都市で、人気観光地のみならずビジネス路線も含まれています。

ダイナミックツアーのように手配することから、実際の運用はJALPAKが行なっています。

今回、筆者はこの航空サブスクサービスを利用して南紀白浜に行ってきました。この南紀白浜のみ復路を大阪の関西国際空港か伊丹空港発に変更できる点で変化に富んだルートを作ることができます。両都市間の地上移動は、HafHがJR西日本とサブスク提携しており、鉄道運賃の4割引サービスが利用できます。

※写真 : 紀伊半島の海岸線を眺めながらJAL機は降下する

南紀白浜へ向かう

猛暑が収まった8月下旬に羽田空港を飛び立ちました。50分のフライトののち、本州最南端の空港であり、白浜温泉街から2㎞と近く、パンダで有名なアドベンチャーワールドの敷地横という南紀白浜空港に到着しました。

まずは展望デッキへ、到着機をしっかり見に行きます。通常は羽田空港と結ぶ毎日3往復ですが、コロナ禍の影響で朝と夕刻の2往復だけになっており、撮影の機会は多くありません。

※写真 : 南紀白浜空港ターミナルビルです

空港周辺へ

この展望デッキに向かうこぢんまりとしたホールに大きな木枠のケースがあります。中にはスケールがまちまちですが、航空史を飾る航空機模型が6機ならんでいました。その中で、民間機はパンナムのボーイング377ストラトクルーザー、TWAのDC-3が翼を広げていました。ケースの上に掲げられたイラスト絵画とともに飛行機ファンを喜ばせる展示です。

※写真 : 送迎デッキ前の展示物です

空港公園でのTOYOTAコムス

事前に南紀白浜空港のホームページを見ていると市内観光に使える格安の電気自動車のレンタルを見付けました。2階の株式会社南紀白浜エアポートの事務所へ、一人乗り電気自動車TOYOTAコムスを借りに向かいます。1時間800円からで3時間レンタルしても2000円と手軽です。

南紀白浜空港を離陸するJAL機

まずは、出発便を見送りに、ターミナルビル南側の高台にある空港公園に向かいます。管制塔と空港ターミナルビル、滑走路が一望できる展望公園です。アドベンチャーワールドの観覧車と飛行機の離陸が同じ視野に入る写真を撮ることができました。

その後、空港を離れ「平草原公園」へ向かいます。展望台からは管制塔の上部が見えています。その後は、観光地巡りへ。白浜は温泉街と白良浜を中心にコンパクトな位置関係で巡ることが出来るので、3時間でも色々見ることができました。

千畳敷に広がる海

三段壁、千畳敷、白良浜、円月島と巡って番所山公園へ。頂上になる駐車場へ向かうも、小型EVの力では登り切れず、あえなく撤退。スピードも十分ではないので、走行しながら後続車優先を心掛け、何度も追い越しをして貰いました。

とれとれ市場内です

昼食を摂りに「とれとれ市場」に行き、多くの土産物屋を眺めたあとにちらし寿司を賞味しました。

宿泊先へ

温泉地ですので、ゆっくり滞在したいもの。SEAMORE RESIDENCEは、2019年にできた滞在型ホテル。チェックインは本館となるSHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMOREで行います。

SEAMORE RESIDENCE KEY2棟の一階にはバー、セルフキッチンとテレワークもできるシェアリビングスペースがあり利用者が自由に使えるようになっています。今回筆者は一人の利用でしたが、シングルベッドが3台並ぶ余裕のある部屋でした。壁にはロードバイクを保管できる装備があり、ゆっくり滞在し、自転車旅をする人にはうってつけでした。

本館1Fエントランスからメインラウンジを抜けて海側に出るとインフィニティ足湯が姿を現します。横幅30mもあり、湯面と太平洋の絶景が繋がるように広がります。この場所からの夕陽の眺望は、この滞在のハイライトで、見逃せません。この場所の館内エリアは海の見える贅沢な「ビジネスラウンジ」が用意されており、目線で海を追いながら静かな環境で仕事ができます。

B1Fでは海を見渡せる露天風呂の「三段の湯」、大浴場の「海の湯」と「波の湯」と3つの天然温泉を楽しむことが出来ました。

関西屈指の海水浴場、白砂の浜「白良浜」の全景を眺めるのにいい場所がありました。足湯の隣はミカンテラスというレストランのテラス席になり、その奥にはシララテラスが続きます。白良浜の全景と円月島までの眺望はリゾート地に相応しい雄大なものでした。

紹介した以外にも施設内には屋外プールや卓球、ビリヤードやボルダリングまで楽しめるプレイルームをはじめ、サイクルショップのジャイアントストアやベーカリー、白浜ラーメン店、寿司店、いけす料理店などもあり、館内のビュッフェレストランとともに長期滞在への飽きない工夫がされていました。

※写真 : 部屋の内部は余裕があります

地上のサブスクへ

ホテルを出発し、向かうのは白浜駅。ここから新大阪へ向かい、帰路は大阪国際空港(伊丹)から羽田空港に戻ります。このオープンジョー区間では、移動の助けとなるHafHとJR西日本のサブスクが利用できます。事前にJRおでかけネットの「e5489」で乗車券と特急券を手配出来て、利用額は4割り引とお得に移動できます。

サブスクで利用できる範囲は、山陽新幹線で下関までと北陸本線で金沢までと広範囲であり、利用しない手はありません。関東にいると山陽新幹線を利用することはなかなかありませんが、新大阪から45分で岡山まで到達できる便利さを享受するこができました。

※写真 : 白良浜の遠望

倉敷に足を延ばした

更に在来線を乗り継いで向かったのは倉敷にある航空モデルショップの「クロスウィング」。日本最大級の品揃えの店舗は何度足を運んでも圧巻です。博物館級の展示は販売されていない貴重品もあって、長く眺めていたくなります。経営する山口社長と懇意にしており、情報交換をしつつサブスクの利用を紹介すると、東京の人が羨ましいという感想を聞きました。「コロナ禍の巣ごもり需要で、モデル販売の実績は落ちていない」というのも頼もしい返答も聞きました。

朝、白浜でホテルをチェックアウトした人間が倉敷でランチを摂ることができるのはこのサブスクのお陰ですね。

※写真 : クロスウィングでの山口社長

新しい仕事と旅の形


旅のサブスクは宿泊サービスから始まって、鉄道と航空分野に広がって来ました。それぞれが結び付くことによって、思いがけない移動先にたどり着くこともできるようになりました。コロナ禍でテレワークが普及し、旅のサブスクがより進化したように思えます。

旅先で、サブスクを進めた株式会社Kabuk Styleの大瀬良社長の言葉を思い出しました。「旅の新しい形としてLiving Anywhereの共創コミュニティを作り上げていきたい。多様な価値観を大事にし、高めていける旅のサブスクを進化させ、多くの交通機関と提携し、移動と暮らしに自由をもたらします。HafHのサービスエリアは海外も多くあり、何れ航空会社の国際線でのサブスクも開始しますよ」とのこと。

仕事の場所が一か所にとららわれない考えも出てくるようになりました。移動の自由度を感じることのできるいい旅となりました。

■取材協力:HafH ⇒ https://www.hafh.com/



Koji Kitajima(きたじま こうじ)


日系、外資エアライン計4社で30年以上勤務し、旅客、貨物業務を空港と営業のフィールドでオールマイティに経験しました。航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材し、その内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを「空旅のススメ」コラムにて発信中。
航空ジャーナリスト協会に所属しています。

■プロフィール : https://airport.aviationworld.jp/koji-kitajima.html

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