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自由な社風で仕事するベトジェットエアの客室乗務員・ベトジェットエア〔エアバスA321〕に搭乗

2020/01/28 北島幸司・特集記事

今回、搭乗したのはベトジェットエアの一番新しい就航路線、羽田⇔ダナン線。サービス満載のsky BOSSを利用しました。先に就航した関西、成田からのハノイ、ホーチミン線は日本発往路昼間便、ベトナム発復路深夜便なのに対して羽田空港の深夜枠を利用しての就航の為、ダナン発夜便で羽田空港を深夜に折り返す時間でのフライトです。

sky BOSSの充実したサービス

sky BOSSは、優先チェックインから始まり、預入手荷物30㎏、機内持ち込み手荷物10㎏。ラウンジ利用、機内への優先搭乗などがあります。そして機内では前方に座れ、ミネラルウォーターとおしぼりのサービスも。
LCCですので、普通運賃には機内食は付きませんが、sky BOSSでは2回分のホットミールとドリンクが提供されます。さらにカップヌードルやスナック、ドリンクなどをいつでも好きな時間に頼めます。もちろん無料です。そして到着後も優先降機となっていて、バス案内の場合は、専用のバスが用意され、真っ先に入国審査に進むことができます。
〔写真 : 前方の赤いシートが sky BOSS〕

日本人乗務員の活躍

ベトジェットエアの日本人客室乗務員マチカさん。以前はピーチアビエーションの客室乗務員だったそうです。ピーチ初期採用CAは1年契約で最長3年雇用でした。現在では、無期契約となっていますが、初期に採用されたマチカさんは3年でピーチを退職し、ベトジェットエアで活躍の場を見出しました。
現在、ホーチミンで会社の用意した住居にルームメイトとともに暮らします。日本迄の最長路線となるホーチミン路線が基本便で1日乗務となります。ダナンとハノイ路線は、距離が短い為、ホーチミンからの国内線から乗務を開始し、一日2便の仕事をすることがあるのだとか。今回は、ホーチミン⇒ダナン⇒羽田空港へとフライトします。日本では、1泊してリフレッシュしたのち、ベトナムに戻ります。関西空港線に乗務した際は、実家のある京都に向かうと嬉しそうに話してくれました。
〔写真 : 客室乗務員の皆さん〕

ピーチとの似た社風?

ピーチとベトジェットは似たところがあると言います。自由にものを言える風通しのいい雰囲気。上下関係が厳しいというよりは、助け合って仕事する関係が心地いいようです。
2018年秋に日本線に就航してから10名ほどだった日本人客室乗務員は、路線を増やし、現在では30名近くにまで増えているとのこと。日本便全便に日本人客室乗務員がいる訳ではありませんが、日本語を話す客室乗務員は必ず1名は乗務しています。
〔写真 : 機内食販売の様子〕

日本語を話すベトナム人客室乗務員

日本語が話せる、ハノイ出身のチャンさんは、まだ経験3か月の新人客室乗務員です。航空業界に憧れ、東京にある富士国際ビジネス専門学校で2年間学び、卒業後ベトジェットエアに入社しました。外国人留学生を多く受け入れている同校では、同級生に中国人やネパール人がいて、皆で競いあって勉強したとか。好きな場所は横浜。休みの日には何度も出かけたそうです。2年間暮らしたことで日本への理解が深まったと言います。日本語のアナウンスを担当し、早くも同僚に一目置かれる存在のようです。
ディンさんは経験5年の客室責任者でパーサーです。ベトジェットエアでの就航路線では、関西空港路線が一番のお気に入り。この先予定されている、オーストラリアへの長距離路線の開設が楽しみだと言います。
〔写真 : チャンさんの靴に注目〕

お勧め機内食

機内食の案内「jet café」から、お勧めメニューを教えてくれました。温かい食事が13種類掲載されている中で、「フライドヌードル」が日本人のお客様に人気だと言います。エビとカニが入っており、ベトナム醤油の「Huong Viet」を掛けるとコクが出てさらに美味しくなりました。
〔写真 : 機内食はフライヌードル〕

ボーディングミュージックが心地いい

機内で搭乗と降機の際に流れるボーディングのウェルカムミュージックが気になると話したところ、他のお客様からの評判もとてもいいとのこと。
タイトルは「Proud of you」。香港の女性歌手Fiona Fungの歌で、「I can fly」と天にも昇るような気持ちを歌うラブソングなのですが、その高揚した感覚が機内で流れる音楽としてまさにピッタリです。Proud of youは「あなたを思いやる」とでも訳せば、相応しいと思います。
〔写真 : ディンさん(左)、チャンさん〕

特徴のある制服

客室乗務員の制服が可愛いという評判です。事実、ボーディングの際に若い女性が「制服めちゃくちゃ可愛いね」と話しながら座席に向かう姿を見掛けました。他社LCCでもポロシャツなど、カジュアルで活動的な制服を見掛けますが、ベトジェットエアはカジュアルでいながらジャケットを着るときちんとした感じがして、とてもお洒落です。機長と同じ袖の金の4本ラインも遊び心が感じられます。そして赤い靴がまた変わっていて可愛いです。前述の若い女性の言葉を借りると「お人形さんみたいな靴」だそうです。髪型も自由なようで、ロングヘアで仕事している様子を機内で見るのはとても新鮮です。
〔写真 : ロングヘアの客室乗務員さん〕

グッズを手に入れたい

機内販売も充実しています。その中で、パイロットと客室乗務員の制服を着たテディーベアをお土産にしたいと思いました。お子さんのいる家庭には、子供用のリュックサックなど赤と黄色が映えるキュートな商品が揃います。残念ながら在庫切れで購入は叶いませんでしたので、次回搭乗するときの楽しみにとっておこうと思っています。
〔写真 : 機内販売品の一部〕

ダナンのラウンジが広くて快適

もうひとつ忘れてはならないのが、sky BOSSの付帯サービスで、ダナン空港で搭乗前に利用したCIPオーキッドラウンジです。フォーや揚げ春巻きなどのベトナム料理やサラダ、フルーツなどが多数用意されています。また数種類のソフトドリンクに加え、赤白ワイン、ビールが3種類あるのも嬉しいところ。ラルー(Larue)、バーバーバー(333)、ビアサイゴン(BIA SAIGON)が並びます。空港への場周道路の風景を見ながら、奥へ進むと彩鮮やかな様々なソファが。カプセルホテルのような半個室席や、パーソナルテレビの付いた席、横になれる程広いソファ席など、様々です。シャワー室もあり、すっきりとリフレッシュして機内に向かうことができました。 

路線拡大で勢いのあるLCCは、乗っていても活気があって楽しいですね。


■取材協力:ベトジェットエア ⇒ https://www.vietjetair.com//

■Koji Kitajima(きたじま こうじ)

日系、外資エアライン計4社で30年以上勤務し、旅客、貨物業務を空港と営業のフィールドでオールマイティに経験しました。航空ジャーナリストとして世界の航空の現場を取材し、その内容をわかりやすく伝えます。航空旅行の楽しさを「空旅のススメ」コラムにて発信中。
航空ジャーナリスト協会に所属しています。